淺木 香那

今回の展示に関して: 

自然光を浴び、風を受け、朝も夜もそこに在る作品のその時々の表情を見てみたいと思いました。また、そこに在ることに無理がない、自然とそこに在るように、と制作しました。そして私はこの制作を通じて、自然の一部となり、自然と関わることを望みます。気持ちが自然と溢れるように。気持ちが溢れることが自然であるように。しかし私は自然の中に混ざりたいと焦がれるほど、自分はまだ自然ではないと感じることもあります。 

 

《感情の発露 -喜怒哀楽-》材質:磁・テグス 

作品コンセプト: 

 感情は気付いたら湧き出ていて、そこらじゅうに落ちていきます。普段は見えないけれど、木からだってポロリと色んな感情が溢れることもあるかもしれません。 

《感情の発露 -涙-》材質:磁・テグス 

作品コンセプト: 

 感情から涙を流す、ヒトにとって自然なこの事象は他の生き物には無いと言われたりもします。本当にそうでしょうか?私は下を向いてシャワーを浴びていると顔に水が流れていくことで泣いているのと同じような気持ちになることがあります。木も雨の日に自身をつたう滴に心震わせているかもしれません。 

《見》材質:陶 

作品コンセプト: 

 私にとって自然は打てば響くもので、何かすれば必ずその影響が広がります。そのため、行動が試されている、見定められている、そんな感覚があります。 

 釣りをしていると水中から魚に見られている、ということがしばしばあります。中でも、メバルは水中で上を見上げてじっ…と留まっていることが多く、海の中の黒い影に見定められているように感じます。彼らに見放されないように、生きたいと私は思います。