吉田芽初

卒論題目 「陶芸における人体表現 ~信楽並漉粘土を用いた肌の質感の研究~」 

〈内容〉 

・卒業制作の制作記録 

・人体表現、特に肌表現についての研究 

 

 卒業制作 タイトル 「うむ」 有無、生む、倦む、膿む、…… 

〈コンセプト〉 

・様々な肌の表現を用いる → 常態:素焼き  ……私が最初に魅力を感じた、素焼きの色などを活かした肌 

生まれたての肌:透明釉  ……脱皮したての潤いに富んだ肌 

脱ぐ肌:焼き締め  ……生気のない、人外みのある肌 

・自己の投影をしやすい作品 → その作品自体が生命感を持つが、特定の個人に繋がるものではない 

・好み(展示台との融合に関して) → 過去の制作を参考にした、「繋がってないけど繋がって見える」表現。様々な肌表現を同一作品内に混在させる上で適当なデザイン 

 

〈制作プロセス〉 

ポーズ決め → 展示台と同程度の空間を作り、その中で実際にポーズをとった 

制作 → 四肢:たたら、上半身:紐づくり 

 

〈自己評価〉 

・造形に関して、過去の制作を活かした改良を行えた。表面の処理、パーツ分割など 

・肌の表現について、当初惹かれた魅力に加え、髪や目との質感の違いによる強調や、多様な肌表現を混在させたことによる視覚的なおもしろさを出せたと感じる 

・焼成中に大破した一度目の制作を改良し、より納得のいく作品に仕上がった 

 

〈キャプションの記載内容〉 

枠なんてない、私がバラバラなだけ。枠なんてない、私が欠けているだけ。私なんてない、「私」の皮があっただけ。 

それを知って、ないところが痛み出してしまったから。 

「ある」ところで必死にもがいて、私の意識の内にしかない枠も痛みも踏み台にして、「私」の皮を被ったその下が「私」の形をしていなくても。 

それでも尚あるそれが、私であるから。