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卒業制作　《CUBE Series》

卒業制作《CUBE Series》

《CUBE Series》は習作を含む全5作品からなる連作であり、フランク・ステラやドナルド・ジャッドの作品を参考に、ミクストメディアやアクリル、スプレーなど様々な画材、技法で制作した。これらは、ステラのオブジェクト的な性質を極限まで高めた「絵画」や、ジャッドの形態や色彩を非常に還元化させた「立体」と同じように作品の意味や形態を鑑賞者に委ねる作品となっていて、作者の思惑は存在するものの、そこに鑑賞者による意味付けがなされることによって初めて成立する作品となっている。また、支持体に単なる長方形ではない変形キャンヴァス(=シェイプト・キャンヴァス)を使用することで、鑑賞者に作品を【もの】として認識させることを試みている。変形キャンヴァスを使用し単調な色面構成をする事で色面と支持体が一体化し、鑑賞者は作品の「厚み」に焦点を当てることになる。「厚み」を示すことは、本作を平面と立体の境界線上に存在させ、どんな言葉にも環境にも従属しないただ一つの【もの】としての認識を強めるための重要な要素となる。